研究概要 |
味覚センサならびに化学成分の分析により、母乳の味の特性を明らかにすること、また母乳の味について経時変化を検討することおよびサンプル採取時の母親の食事と母乳の味成分との関連を検討するため、以下のことを行った。 1.経産婦一名から経時的(初乳、移行乳、成熟乳:2,4,8,16,24,32,40,48週)に採取した冷凍母乳を、味覚センサにより測定した。 2.母乳サンプリングを行った経産婦の母乳採取前日および当日の食事内容記録について栄養計算を行った。 3.味に関係すると思われる糖、タンパク質、脂質、pH、ナトリウムイオンを、以下の方法で測定した。 (1)J.K.インターナショナルINC.製F-キット乳糖/Dグルコースを用いて、母乳中乳糖の定量を行った。 (2)PIERC社製BCA Protein Assay Kitを用いて母乳中タンパク質の定量を行った。 (3)(株)和光純薬工業製トリグリセライドG-テストワコー(グリセロール-3-リン酸オキシダーゼ(GPO)およびP-クロロフェノールを用いた酵素法)を用いて母乳中グリセライド定量を行った。 (4)Orion社製pH/イオンメーターを用いて、母乳のpHおよびナトリウムイオン濃度の測定を行った。 以上の結果、味覚センサによる母乳の味測定の結果は、採取日により多様であった。その変化には、経時的な傾向は認めらず、現在、得られた化学成分分析結果および食事記録との関連を検討中である。
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