研究概要 |
運動能力や認知能力の発達の違いによって、コンピュータのユーザインタフェースとして必ずしも常にGUIが適しているとは限らない。近年、低年齢からコンピュータに触れる機会が増えているが、具体的操作段階である児童には、より直接的に指示,操作が可能なインタフェースが適していると考えられる。 そこで、タイル絵制作を題材に、タイル絵を完成させる活動を、GUIと実世界指向インタフェースの両者で可能なシステムを開発した。実世界指向インタフェースには、マイクロコントローラを内蔵し、ホストコンピュータ上にタイルの配置や姿勢をリアルタイムに記録できる「電子タイル」を開発した。また,GUIソフトウェアには「TileDesigner」と名付けた,GUI操作によってタイルアイコンをドラッグ&ドロップ等の操作が可能な汎用のプラットホームを開発した.タイルオブジェクトとして様々なアイコンと機能を持った集合を用意することで,タイル絵制作システムにも,その他のアプリケーションにも応用可能となっている. 予備実験として、大学生を対象に同一規定作品を両者のインタフェースで制作させたところ、できあがった作品を同一視でき、作業過程を比較検討可能であることが示唆された。今後、これまでに開発してきた実験プラットホームを活用し,発達段階毎にユーザビリティの比較評価を行い、インタフェース選択の指標を検討していく。
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