研究概要 |
ネットワーク環境を用いた空間テストの解決過程データの収集や,各被験者の解決過程の可視化プログラムについて,平成12年度に開催された国際会議(9th International Conference on Geometry and Graphics, Rand Afrikaans University,南アフリカ共和国)で発表したものに改訂を加えて,Journal for Geometry and Graphicsに投稿した結果,Vol.5,No.2に論文が掲載された.論文では,各問題を構成するそれぞれの選択肢図形の正誤判断に要した時間を抽出して,選択肢の図形的特徴との関係について論じた. 今年度は,昨年度までの分析を基に,1問を解いている間の解決方略の変化に着目して,解決方略の特徴の指標化についての検討を進めた.1問を解く問に解決方略を切替えることがどの程度あるか(一貫性),1問を解く間に同じ解決方略がどの程度繰り返し用いられているか(冗長性)などが,高得点の被験者と低得点の被験者でどのように異なるかを比較することによって,各被験者の誤答原因の推定に有効な指標の作成を試みた.また,これまでに収集した空間テストの正誤データに項自反応理論を適用し,難易度や識別力パラメタの推定を行い,解決過程と難易度の関係についての考察を試みた.
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