研究概要 |
今年度は,メタ情報記述に基づくネットワーク上の情報源の統合・収集と配信処理に関して特に次のような点について研究を行った. 1.地図情報に基づいて移動する利用者に情報を提供するような各種空間情報源を統合するための統合フレームワークの理論的基盤の開発:これについては4月のDASFAA国際会議,11月のER国際会議にてその成果を発表している.また,これと並行して,空間情報統合および検索システムのプロトタイプをESRI社のArcView GISシステム上に構築した.これについては,関連する研究成果を現在国際会議に投稿中である. 2.1.と併せて,空間情報を表現するためのXMLによるデータ記述方式と,拡張したXML問合せ言語によるその問合せ処理方式についても方式の開発と実装を行った.これについてはすでに5月のASIA GIS国際会議にて発表済みであるが,改良を加えた方式について他の会議等でも発表予定である. 3.現在,ネットワーク上での情報配信・流通が盛んになってきており,各種情報源から定期的にネットワークを通じて配信されてくる情報の統合・選択,およびその結果の再配信などが求められている.そこで,そのような配信情報の統合・配信を行うための理論的基盤の開発を行った.この内容については,4月のDASFAA国際会議にてその概要を発表し,その後その改訂版が1月に論文雑誌に採録・出版されている.この内容については,さらに改良を加えた方式を他の学会にて発表し,論文雑誌にも再度投稿している. 4.ネットワーク上を流れる情報の主体となるのはテキスト情報であるが,その構造化やテキストからの情報抽出は容易なことではない.そこで,時系列的にネットワーク上を送信されてくるニュース記事などのテキスト(時系列テキスト)を内容に応じてグループ化するためのクラスタリング手法の開発を行った.その特徴は,新たなテキストが追加された際の更新処理が高速であること,テキストの入手時間に応じて最近のものほど重要度が高いと評価されることなどが挙げられる.これについては9月のECDL国際会議にて研究成果を発表しており,これと併せて現在システムのプロトタイプを構築している.
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