研究概要 |
本年度は、引き続きアプリケーションのデータアクセスについてのページ参照軌跡を記録の手法について、調査・検討・実装を行ない,データを収集した。 当初の目標であった実時間的なページ参照軌跡の記録を断念し,オペレーティングシステム(OS)のロギングの機能を使って、データを収集するように方針を変更したが,OSの制約のために実行できない調査対象プログラムがあることが判った.そこで,同じMIPS系のアーキテクチャのプロセッサ向けのシミュレータSimpleScalarを用いてプログラムのユーザ状態での参照軌跡のデータ収集を行う手法を検討し,実装した. そして,収集したデータに対する解析を試みた.最終的な目標であるページ変換キャッシュの「はずれ」の予想について,分岐予測の手法の応用等を試みたが,現状では有効な方法を見出せていない.この目標については,今後も継続的に研究を続けていく. それと平行してIA64アーキテクチャのイベント計測機能と投機的記憶参照機能を活用して,ページ変換キャッシュのはずれのオーバヘッドを計測し,それを軽減するような言語処理系レベルでの工夫を検討し,その中間成果を発表した.(このために科学技術振興調整費「並列化コンパイラ向けインフラストラクチャの研究」の補助で調達した機材も活用した.)
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