研究概要 |
本年度の研究は,以下の4つに大別される. 1.画像データの収集 2.スケッチ作画システムの試作 3.高次局所自己相関特徴による濃淡画像の分類法の開発 4.腫瘤陰影の良悪性鑑別システムの試作 1においては,研究協力病院の医師との連携により,約1000例の収集を行なった.そして,研究2,3,4の題材として利用した. 2においては,従来われわれが研究してきたコンピュータ支援診断システムの結果を元に,あらたに微分強度画像から判別分析法によって病変部の領域分割を行なうアルゴリズムを開発し,スケッチの自動作画方法を提案した. 3においては,画像の濃淡から直接抽出できる画像特徴として,局所パターンマッチング法を新たに開発し,局所パターンの頻度とその主成分分析の結果から,画像が分類できることを示した.画像中の領域分割において画像全体が局所パターンによって構成されていると考えれば,局所パターンの種類を適切に設定することによって濃淡画像中の物体の領域が分割できると予想できる. 4においては,2,3の結果に基づき,いままでに収集した画像データベースに存在する腫瘤陰影に対して,自動的に良悪性を鑑別する手法を開発した.ここでは,画像中における腫瘤陰影の領域分割が重要な要素であり,その結果に基づいてさまざまな画像特徴が得られている.100例の腫瘤陰影に適用した結果,80%以上の正解率が得られ,手法の有効性が証明できた.
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