研究概要 |
当該研究期間に行った主な研究成果は以下の通りである. (1) 分散環境におけるトランザクションコミットメントアルゴリズムの提案 分散並列型トランザクション処理システムにおいて,トランザクションのコミットメントを行うために必要となる,処理中トランザクションの最小時刻印決定アルゴリズムとして,階層マルチリング型アルゴリズムの提案を行った.このアルゴリズムは,システム内のノードをいくつかのグループに分け,各グループでノードをリング状に接続し,さらに,各リングを階層的に接続する.そして,各リングを巡回するトークンに,各ノードが局所的な実行中トランザクションの最小時刻印を書き込み,その情報をより上位のリングに伝えることで,最上位リングでシステム内での最小時刻印の決定を行う.なお,研究成果は,情報処理学会の論文誌に掲載された. (2) 計算機クラスタ型並列計算機への実装 計算機クラスタ型並列計算機である,FUJITSU AP3000上に,分散並列型トランザクション処理システムの実装を行った.この実装では,システムの改良およびその評価を効果的に実施できることを目指し,内部構造のモジュール化を行っている.実装に関しては,その一部を,情報処理学会のシンポジウムで発表を行った.また,現在,この実装システムを使用して,システムの評価を行っており,これらの結果については,平成14年度第1四半期,もしくは,第2四半期をめどに,発表を予定している.
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