研究課題/領域番号 |
12780320
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西村 俊和 立命館大学, 理工学部, 助教授 (00273483)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | モバイルコンピューティング / モバイルエージェント / 資料配布 / 講義資料 / 揮発 / 動機付け / 複製禁止 / 使用履歴 |
研究概要 |
本研究ではモバイルコンピューティングを利用して講義資料を配布するシステムを提案し、その有効性を実証した。受講者の学習動機付けに着目した講義資料の電子的配布機能にその特徴がある。 (1)限定的な資料配布は、位置に依存した通信ネットワークとモバイルエージェントによる資料複製禁止機能によって実現され、講義受講者以外への資料流出を防ぐ。電子的な講義資料は通常容易に複製が可能であるため、資料の無制限な流失による元著作者の権利の侵害や出席動機・意欲の減退等を招く可能性など、資料配布に起因する諸問題を拡大する危険があるが、この機能によってそれを軽減することが可能となる。 (2)資料揮発機能は、資料の放置時間に応じて消去/欠け/変質等で資料内容を徐々に劣化させ、情報の揮発を模倣するものである。資料参照間隔が短い場合には揮発させないことにより、受講者に頻繁に復習させる動機付けを行うことができる。 (3)資料復元機能は、揮発した複数の情報を照合することにより、劣化した資料内容を復元するものであ乱複数の受講者が一同に会することから、グループ学習会(あるいは自主ゼミ)め動機付けを行うことができる。 実現システムを実際の講義で使用したところ、資料を長期間放置して情報揮発を起してしまった受講者がいる反面、定期的に資料を参照して劣化を防いだ受講者も同様に見られ、資料複製禁止機能と資料揮発機能の有効性が示された。また、資料複製禁止機能が効果的に働いたものの封じ込められた資料を復元して利用する受講者が極少数であるものの複数人確認され、実現システムに弱点があること、また資料に対する受講者の要求が非常に大きいことが示された。しかしながら資料復元機能はほとんど利用されず、揮発情報が復元されなかったことから、一旦劣化した資料が受請者の興味を急激に失ってしまうことが覗えた。
|