研究概要 |
日本の自動車産業においては,ユーザーの求める多様な商品を迅速に開発・生産することが重要であり,適切な生産システムの開発が必要である.一方,生産現場の労働環境への配慮も強く求められている.このような経済環境において,自己完結(自律完結)型混合ラィン生産システムの導入が一部の工場で試みられている.しかしながら自己完結型混合ライン生産システムの導入に伴う新しい管理技術の開発が遅れており,相応しい生産システムの設計方法はまだ確立されておらず,それに関する研究も乏しい.本研究は自己完結型混合ライン生産システムの設計に関する基礎研究を目的とする. 本年度(平成13年度)では,自動車の混合ラインを対象に,生産の効率と経済性を保ちながら作業者にやさしいラインの構築を目指しており,ほぼ予定通り研究を進めた. 1. 前年度の調査結果を踏まえて,自己完結型混合ライン生産システムに関する数式モデルを構築し,作業者の作業負荷と効率について理論的解析を行い,生産システムの柔軟性と経済性を考慮した混合ラインの設計を試みた. 2. 数式モデルのシミュレーションシステムを開発して数値実験を行い,数式モデルの有効性を確認しながら,学会での発表等を通じて,数式モデルの確認・修正作業を行ったうえで,システムの柔軟性,経済性等の面で自己完結型混合ラィン生産システムの最適な設計方法またはそれに準ずるものを開発している. 3. 研究成果のまとめ・論文作成・学会発表等の準備作業を進めている.
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