研究概要 |
細胞をアポトーシスに導くBaxという蛋白質とアポトーシスを抑制するBcl-xLという蛋白質について多量体化とアポトーシスの関係を明確にするため,目的蛋白質を大量に得られる系を確立し,光散乱測定を計画した.また,同蛋白質を哺乳類細胞で発現させ,ミトコンドリアヘの局在化を確認した. 1.遺伝子操作による目的蛋白質の大量発現 大腸菌によってBaxおよびとBcl-xLを高い純度で得られる発現系と精製系を確立した.遺伝子操作は,PCR装置と遺伝子導入装置を用いて行い,構築した大きなサイズを持つプラスミドを効率よく菌内に導入した.N末の多量体化への関与が報告されたため,BaxとBcl-xLはC末にT7・Tagを付加した蛋白質とN末にHis・tagを付加した蛋白質を発現させた.N末のHis・tagは蛋白質精製後thrombinでtagを切断して野生型の蛋白を得られるようにした.シークエンサーでDNA配列を確認後,蛋白質を発現させた. 2.光散乱測定 光散乱をDynaPro801にて測定するため蛋白の調製と測定条件の検討を進めている.モノマーの測定はSoybean trypsin (23kDa)をスタンダード蛋白質として用いることとし,多量体についてはnOG, Triton, Tweenの界面活性剤を加えることによってポジティブコントロールとすることにした.今後BakのBH3 domain, BidのBH3 domainを加え多量体化の有無を観察する予定である.
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