研究課題/領域番号 |
12780468
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木原 昌子 (岩本 昌子) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70252715)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ATP合成酵素 / FoF_1 / エネルギー共役 / FoF1 |
研究概要 |
本研究は、ATP合成酵素(FoF_1-ATPase)におけるATP合成(分解)と機械的仕事との、およびH^+輸送との、エネルギー共役機構の解明を目的とした。本年は、α_3β_3γδεのサブユニットより成るF_1部分に位置する触媒サブユニット(βサブユニット)変異F_1を用いて、ATPの加水分解によってどのように機械的仕事が起こるのかを検討した。 F1部分のγサブユニットは、α_3β_3の六量体の中央に位置して、ATP加水分解の際には決まった一方向に回転している。回転によって生じる回転トルクは約45pN・nmであった。βサブユニットのSer-174がPheに置換した(βS174F)変異F_1の回転トルクを測定したところ約17pN・nmに減少しており、βS174Fの変異F_1ではATP加水分解を回転に伝える機械的な欠損が起きていることが示された。このような変異酵素は今回初めて報告されたものである。βS174Fで減少していた回転トルクは、第二の変異として、βGly-149のAlaへの置換、βIle-163のAlaへの置換、またはβIle-166のAlaへの置換のどれかをβサブユニットに導入することで抑圧されたが、βIle-238のAlaへの置換では抑圧されなかった。これらの結果は、βGly-149からβSer-174の間の領域が、ATP加水分解と機械的仕事の共役が起こるのに重要な役割を持っていることを示唆している。以上の成果はJ. Biol. Chem. に報告した。
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