研究課題/領域番号 |
12780498
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
森田 勇人 愛媛大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50274303)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | RbpAl / 低温環境適応 / RRM / グリシンリッチドメイン / 二本鎖RNA / RNA結合蛋白質 / 多次元NMR分光法 / 円偏光二色性 / ラン藻 / mRNA / 構造転位 / NMR |
研究概要 |
本研究では、ラン藻Anabaena variabilis M3株のRNA結合蛋白質RbpAlがRNA分子上に存在する局所的な相補領域間で二次構造を形成するのを防ぐ分子機構を構造科学的に解明することを目的とした。RbpAlは2つの機能単位RRMとグリシンリッチドメインから構成され、安定同位体標識法を併用した多次元NMR分光法によるこれまでの研究結果から、RRMは1枚のベータシートと2本のαヘリックス構造から構成されるのに対し、グリシンリッチドメインは溶液中では明確な二次構造をとらないことを明らかにした。そこで、グリシンリッチをほとんど欠損したRbpAlや部位特異的変異を導入したRbpA1を作製し、そのRNA結合活性と立体構造の相関について、円偏光二色性(CD)スペクトルを測定することで解析した。その結果、グリシンリッチドメインを完全に欠損したRbpAlはRNA結合活性を失うが2アミノ酸残基余分に残したRbpAlでは活性が保持されていた。一方、これらのCDスペクトルにはほとんど差が無かったことから、グリシンリッチドメインのアミノ末端側の領域は、RRMの全体構造の安定化ではなく、RNA分子と直接相互作用する部位の安定化に重要であることが解った。また、ベータシート構造のアミノ末端側のタイロシンやその側鎖の向きを決定していると考えられる46番目のフェニルアラニンに変異を導入しても、RNAの結合活性が大幅に低下したが、必ずしもRRMの二次構造が大きく変化するとは限らなかった。 以上の結果から、RRMの二次構造を維持するのに重要なアミノ酸ならびにRRMがRNA分予を認識するのに重要なアミノ酸残基を同定し、RNA分子と相互作用するRRMの部位を推定した。
|