研究課題/領域番号 |
12780523
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
胡桃坂 仁志 理化学研究所, 細胞情報伝達研究室, 研究員 (80300870)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | DNA修復 / DNA組換え / 発がん / 相同的対合 / リング構造 / フィラメント構造 / Rad51 paralog / Rad52 / 相同組換え / 遺伝的組換え / 染色体 / Rad51C / Rad51D / Xrcc2 / Xrcc3 |
研究概要 |
細胞の核内では、日常的に二重鎖DNA切断が起こっている。この二重鎖DNA切断が未修復のまま残ると、細胞のがん化の主要な原因の1つとなる。そのため細胞には二重鎖DNA切断を、すばやくかつ正確に修復するシステム(相同組換え修復)が備わっている。このDNA修復経路では、二重鎖切断部位は無傷の染色体DNAを鋳型とした相同組換え反応を経由して正確に修復される。そのためには、切断を受けたDNA部位の塩基配列と相同な配列が、無傷の染色体DNAの中から探し出される必要がある。この過程を相同的対合反応というが、これまでに真核生物のDNA修復においては、バクテリアRecAのホモログであるRad51が、試験管内で相同的対合反応を触媒することが報告された。本研究で我々は、ヒトRad51(HsRad51)の活性化因子と考えられているヒトRad52(HsRad52)が、HsRad51非存在下で相同的対合反応を触媒することを見出した。そして、HsRad52の高次構造を、X線結晶構造解析や電子顕微鏡解析によって調べた結果、HsRad52は、DNA存在下でリング状の多量体構造を基本としたフィラメント構造を形成することが明らかになった。また、Rad51と約20%の相同性を有する、Xrcc3-Rad51C複合体およびXrcc2-Rad51D複合体をそれぞれ精製し、生化学的な解析を行った。その結果、これらのタンパク質複合体がHsRad52と同様にフィラメント構造を形成し、相同的対合反応を触媒することを明らかにした。そして、これら相同的対合反応を触媒するリングタンパク質の中からHsRad52を選び、その立体構造をX線結晶構造解析法により2.8オングストロームの分解能で解明した。
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