研究課題/領域番号 |
12780536
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
顧 建国 (2001) 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40260369)
顧 建国 (2000) 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (30314420)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 基底膜 / インテグリン / ラミニン / アポトーシス / シグナル伝達 / 細胞骨格 / 細胞移動 / 低分子量G蛋白質 / 癌抑制因子PTEN |
研究概要 |
細胞がインテグリンを介して細胞外マトリックス(ECM)に接着することによって、細胞の増殖、分化または生存に関わる様々シグナルを伝達することが知られている。正常上皮細胞の場合は、足場依存的に細胞増殖の性質を持つが、足場を確保できない細胞がアポトーシスを起こす。これまでにそれらの実験系にはインテグリンα5β1のリガンドであるファイブロネクチン(FN)またはインテグリンα6β1のリガンドであるラミニン-1などを含むマトリゲルが主に用いられてきた。しかし、生体内でのラミニン-1の発現は主に胎児組織に限定されており、成体組織の基底膜にはほとんど発現していない。インテグリンα3β1は上皮細胞に最も高発現するインテグリンであり、その主要リガンドであるラミニン-10/11(LN-10/11)は成体基底膜において最も広範囲に発現している。本研究は、基底膜の主要接着分子であるLN-10/11からα3β1を介して伝達されるシグナルが細胞増殖・生存にどのように関わるかを調べた。その結果、LN-10/11への接着はPI 3-kinase/Akt経路を強く活性化し、無血清培養条件下で誘導したアポトーシスを強く抑制した。一方、FNへの接着によるアポトーシスの回避は、PI 3-kinase/Akt経路よりもMEK/ERK MAPK経路の活性化に依存していた。さらに、LN-10/11やFNへの接着によるアポトーシスの回避は、それぞれ特異的阻害剤であるwortamaninやPD98059を培地に添加、またはdominant-negative AktやMEKを細胞に導入することによって特異的に抑制された。このようなECMに依存した生存シグナルは上皮細胞の生存・分化・癌化の過程に深く関与している可能性がある。
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