研究課題/領域番号 |
12780549
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田村 勝徳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90291335)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 分裂組織 / テロメア / テロメラーゼ / AtTERT / チェックポイント / 2本鎖DNA切断 / シロイヌナズナ / イネ / チェックポイント機構 / 細胞増殖 |
研究概要 |
本研究は、分裂組織における増殖能力がどのようにして長期間維持されるかをテロメアの機能維持に関する分子機構と関連付けて理解することを目的とした。平成13年度の研究成果は以下の通りである。 1.シロイヌナズナにおけるテロメラーゼの触媒サブユニット遺伝子AtTERTの転写調節領域を解析した結果、毛根病の原因遺伝子rolBの発現を、オーキシン依存的および組織特異的に制御するシス配列を見い出し、本シス配列がAtTERT遺伝子のオーキシンによる転写誘導に重要であることを明らかにした。 2.AtTERT遺伝子のセンス鎖またはアンチセンス鎖を恒常的に高発現する形質転換体を作出し解析した結果、センス鎖を発現する組換え体では、テロメア長の僅かな伸長が認められた以外に表現形質に変化は見られなかったが、アンチセンス鎖を発現する組換え体では、茎頂分裂組織におけるテロメラーゼ活性の欠失、世代毎のテロメア長の短小化および第7世代での植物体の矮小化が認められた。 3.シロイヌナズナにおけるチェックポイントrad相同遺伝子であるAtradl7のT-DNA挿入ラインを解析した結果、紫外線およびメチルメタンスルホン酸に対する感受性の増高、テロメア長の有意な短小化が認められた。また、2本鎖DNA切断の修復とテロメア長の調節に関与すると予想されるシロイヌナズナのKu70およびKu80相同遺伝子を同定するとともに、T-DNA押入ラインを取得した。 以上より、頂端分裂組織において特異的に発現するテロメラーゼはAtTERT遺伝子の転写段階で制御されること、本酵素活性はテロメア長を安定に維持することにより、分裂組織における細胞増殖を長期間持続させる上で重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、テロメア長の維持にはテロメラーゼ以外にも複数の因子が密接に関与することが予想されたが、それらの相互関連は今後の課題である。
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