研究概要 |
生殖細胞に特異的な現象を理解するために、精細胞特異的に発現する遺伝子を系統的にクローニング解析してきた。具体的には、正常マウス精巣のcDNAライブラリーから精細胞欠失マウス(W/Wv)精巣cDNAライブラリーを差し引くサブトラクション法により、精細胞特異的遺伝子をクローニングした(FEBS. Lett.,1994)。 その中の新規遺伝子haspinは、分子量84KDa, pI8.4のタンパク質をコードし、ロイシンジッパー、核移行シグナル、塩基性領域、プロテインカイネースカタリティックドメインの一部(I, II, III)をもつ。ノーザンブロッテング法、ウエスタンブロッテング法等により精子細胞特異的発現と、精子細胞核での局在が明かとなった。又、精巣の抽出画分を用いた免疫沈降法にり、Haspinが1)Ser/Thr protein kinaseであること。また、2)DNA Cellulose Column ChromatographyによってDNAに結合すること。さらに、3)培養細胞で強制発現させたとき、細胞分裂がG1期で停止することが明かとなった(J. B. C.,1999)。 今回、Haspin遺伝子がヒトにも存在すること、また、Haspin遺伝子のKOマウスの作成することができた。今後男性不妊症とHaspin遺伝子変異についてKOマウスの解析を交えて調べてゆきたい。
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