研究課題/領域番号 |
12780595
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加香 孝一郎 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (60311594)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Cox17p / 銅シャペロン / 選択的金属結合活性 / 遺伝子破壊マウス / 胚性致死 / シトクロムc酸化酵素 / 解糖系 / 細胞内銅イオン / 視床下部 / 銅酵素 / 脳下垂体 |
研究概要 |
昨年度はGST-Cox17pを用いて、Cox17p 1分子に対し約2.5原子の銅イオンが結合すること、またこの結合には分子内の-KPCCVC-配列中のシステイン残基が必須であることを明らかにした。今年度は、大腸菌ではなくB.brevisを宿主として組み換えヒトCox17pペプチドを大量に発現・精製し、その生化学的性質を詳細に解析した。その結果、Cox17pは銅、ニッケル、亜鉛、マンガン、カドミウム、コバルトの6種の重金属のうち銅に最も親和性を示すこと、さらに還元条件下でCox17p 1分子につき約3原子の銅を結合すること、またこの銅との結合はpH4〜7.5まで維持され、これよりも酸性または塩基性で急激に結合が失われることなどが新たに明らかとなった。一方、昨年度作成したCOX17遺伝子欠失をヘテロにもつ個体同士を交配したが、COX17遺伝子欠失をホモにもつ個体は生まれず、胚性致死であることが確認された。そこで、胚のどの時期で致死に至るのかを追跡した。その結果、6.5日胚にはCOX17遺伝子欠失をホモにもつ個体が存在するが、それ以降の胚は急速に退縮し胎生8.5〜10の間で致死となっていることがわかった。さらに6.5日の胚において野生型及びヘテロの胚はチトクロムc酸化酵素(CCO)活性を示すのに対し、ホモと思われる個体ではその活性が消失していた。これに対し、ホモ胚のコハク酸脱水素酵素活性やCCOを構成する他のCOXサブユニットの発現には異常が認められなかったことから、Cox17pが欠失した結果、ミトコンドリアへの銅の輸送が阻害されCCO活性が消失したことが判明した。また、ホモ胚の解糖系も正常であったことから、胎生6.5日までは一般に電子伝達系に非依存的に胚発生が進行することが明らかとなった。
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