研究課題/領域番号 |
12780598
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内藤 栄一 京大, 総合人間学部, 助手 (10283293)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 運動錯覚 / 身体図式 / 運動イメージ / 運動関連領域 |
研究概要 |
適切な振動刺激を四肢の腱に施すと、その親筋肉を伸ばす方向に四肢の運動錯覚が経験される。PETの研究から、この時に賦活される運動関連脳領域は、運動イメージを行わせた時に使われる領域と重なっている(Naitoら、1999、2000)。このことは、運動錯覚と運動イメージの生成には、共通した脳領域が使用されており、両者間には干渉作用があることを示唆するものである。 手首の伸筋の腱に振動刺激を与えている間に、(1)手首を伸展させる運動イメージを行わせる。(2)手首を屈曲させる運動イメージを行わせる。(3)伸展と屈曲を交互に行わせる。(4)コントロールとして、運動イメージをさせないで単に振動刺激を受けるだけ、という4条件下で実験を行い、その間に受容した運動錯覚の運動速度・運動方向・最大角度を報告させた。 その結果、(1)腱刺激中に手首の伸展方向に運動イメージをさせると、運勤錯覚が促進されてその最大角が増加すること、(2)屈曲方向に運動イメージを行わせると運動錯覚が抑制されて、運勧イメージの大きさによっては運動錯覚の方向も変化すること、(3)屈曲伸展の交互イメージでは運動錯覚そのものを減弱させることなどが明らかになった。 これらの結果により、運動錯覚と運動イメージの間には干捗作用があることが明らかになった。運動イメージの身体図式と運動錯覚の身体図式との間には共通部分があり、それらの処理には脳の共通した領域が使用されていることが示唆された。
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