研究課題/領域番号 |
12780616
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
尾崎 繁 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60292546)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 脊髄 / 運動ニューロン / 一次求心性線維 / マウス / 細胞死 |
研究概要 |
新生仔期の脊髄運動ニューロン(MN)と後根神経節(DRG)ニューロンの生存は末梢組織との結合に依存する。筋紡錘由来のla群線維とMNの中枢内結合(伸張反射路)の形成は、標的MNあるいは両者の末梢標的である筋由来因子により調節されると推察されているが、伸張反射路形成に果すMNや筋の役割は不明である。アポトーシス促進因子であるBaxの欠損マウス(Bax-/-)では、ニューロンの自然細胞死の抑制が報告されている。本研究は、伸張反射路の中枢内結合の再構築に標的組織由来因子が与える影響を明らかにするために、Bax欠損マウスを用いて以下の研究成果を上げた。 1)7日齢マウスを固定後、コリンエステレース組織化学染色で同定した第4腰髄(L4)のMNの細胞数と形態を解析した。2)生後0日に坐骨神経を切断し、末梢神経切断に伴う7日齢マウスのL4のMN数と形態変化を1)と同様に解析し、健常側と比較した。3)マウス新生仔を固定後、L4の前根と後根にそれぞれ脂溶性標識色素Dil、DiDの結晶を挿入し、二重染色した同節のMNと一次求心性線維の形態を共焦点レーザー顕微鏡で画像解析した。 Bax-/-の健常側MN数はBax+/+のそれと比し有意に多いが、その細胞体面積は有意に小さかった。また、坐骨神経切断はBax+/+のL4MNに著名な細胞死を誘発した。Bax-/-では細胞死はほとんど起こらなかったが、坐骨神経切断後のBax-/-MNの細胞体面積はさらに減少した。L4の運動神経核への一次求心性線維の投射は、Bax+/+の手術側で減少したが、Bax-/-ではほとんど変化がみられなかった。Bax-/-新生仔の筋求心性線維と運動ニューロンは、末梢神経切断により支配筋との結合が断たれても生存し、両者間の中枢内神経投射も維持されていることが示唆された。本成果の一部は現在国際雑誌に投稿、審査中である(Kinugasa,et al.)。
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