研究課題/領域番号 |
12780661
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 穂高 函館工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (30300502)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 含けい素ポリマー / 酸素透過性 / 含水率 / 成膜性 |
研究概要 |
スチレン系含けい素ポリマーであるポリ(4-ビス(トリメチルシリル)メチルスチレン)(以下BSMS)をベースとした含ケイ素型ハイドロゲルを合成し、その含水特性および酸素透過性に関して検討した。BSMSと共重合させるモノマーとしては親水性のN-ビニルピロリドンおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を用いた。各種条件下において共重合性を検討した結果、BSMSはNVPとは非常に共重合性が低いことがわかった。一方、HEAとは共重合性に優れていることが確認された。これら共重合性の検討により任意のBSMS含率を有する共重合体をそれぞれ合成することに成功した。さらに、得られた共重合体の製膜性および含水率等の物性評価を行った。その結果、BSMS-HEA系は共重合性が良好なために分子量も数百万程度にまで達し成膜性も極めて良好であったが、BSMS-NVP系は共重合性が低いために分子量が低く(数万程度)得られる膜は比較的脆弱であった。また、両共重合体膜の含水率と組成比の相関性を調べたところ、両方ともに疎水性のBSMS含率の減少とともに含水率が上昇することが確認された。BSMS-NVP系共重合体膜は含水率が10%を超えた点より膜が失透しはじめ、含水率40%程度では完全に失透した。一方、BSMS-HEA系共重合体は非常に柔軟な膜で水を含んでも失透することはなかった。さらに、BSMS-HEA系共重合体膜において含水率20%程度のサンプルの酸素透過性を測定したところ、市販のソフトコンタクトレンズよりわずかに高い酸素透過性を有することが確認された(測定温度22℃)。ただし市販のソフトコンタクトレンズの含水率が30%以上あるのに対して、BSMS-HEA系共重合体膜の含水率は現在のところ20%程度が上限であり組成比をさらに調整し含水率及び透過率の向上を目指す必要があることも確認された。
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