研究概要 |
研究は3年計画で行った.平成12年度には福祉機械等の開発,平成13年度には通信ネットワークにおけるサーバの研究や自助介助法の検討,そして平成14年度には総合的な研究を行った. この間に地域連携を推進するために企業と共同して「移動介助のための合体型外骨格式ロボット」を開発した.このシステムは身体保持装置,胸当て,ホイスト装置,二眼カメラ装置,ネットワーク型データ入出力装置,3点式合体装置,椅子机,移乗装置等で構成され,タッチパネル式コンピュータを使用した入出力装置による命令によって,移動に対する自助介助が可能である.また身体保持装置では股サポータを採用することにより移動中の排泄処理問題に対処できるるようにした.さらに,移乗装置では浴槽や自動車への移乗法を検討した. その結果,ベッド上で寝たきり状態の使用者が自力で椅子机(机付の椅子)に合体(着座)できるようになり,椅子机で食事をしたりパソコンを使用したネットワークを利用することができる.従って,従来の介護システムに自助介助による部分を加えることにより一段と介護環境を向上させることができる. このように,福祉システム上の困難な問題である移動・排泄・入浴問題に対して有効な「移動介助のための合体型外骨格式ロボット」を開発して自助介助に対する大きな解決の糸口を見つけた.さらに自助介助と情報ネットワークを加え合わせて「情報ネットワーク型福祉システム」とした.この考え方は産官学等の更なる連携研究により,従来になかった方法で大きな社会的効果を生むものと考えている.
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