研究課題/領域番号 |
12792010
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研究種目 |
地域連携推進研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小松 利光 九州大学, 工学研究院, 教授 (50091343)
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研究分担者 |
押川 英夫 九州大学, 工学研究院, 助手 (80311851)
井上 徹教 九州大学, 工学研究院, 助手 (70311850)
安達 貴浩 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50325502)
井芹 寧 西日本技術開発(株), 環境部, 課長(研究職)
島谷 幸宏 国土交通省, 武雄河川事務所, 所長(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
34,100千円 (直接経費: 34,100千円)
2002年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2001年度: 18,100千円 (直接経費: 18,100千円)
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キーワード | 水質改善 / 表層水供給 / 貯水池 / 溶存酸素 / 栄養塩溶出 / 水温成層 |
研究概要 |
閉鎖性水域では富栄養化に伴う水質悪化が問題となっているが、中でも密度成層下での底層の貧酸素化及び堆積物からの栄養塩回帰の問題が重要視されている。本研究ではこれらの問題に対する解決策の一つとして、溶存酸素の豊富な表層水を貧酸素化した底層部に送り込み、底層の好気化及び内部負荷削滅を目指す水質改善技術を提案した。現垢実験による本システムの有用性の検討のため、北上川水系田瀬ダムに本水質改善装置を設置し、2001年および2002年の夏期に装置稼動の効果を調査する目的で水質観測を行った。2001年の現場実験では、底層においてDO濃度をわずかに増加させることが可能であった。また、DO濃度の水平分布の観測結果から、表層水供給地京から少なくとも20m離れた地点までは本実験装置が有効であることが確認できた。さらに2001年の結果を踏まえ、より水質改善能を高くする目的で本装置の改良を行った。その結果、2002年夏期の現場実験においては実験装置設置場所から少なくとも40m離れた地点までDO濃度を改善することができ、その改善範囲は同心円状に拡大していたことが明らかとなった。また、底層においてDO濃度が改善された期間にはPO_4^<3->-P濃度は減少傾向にあり、装置に近いほど低濃度であったため、本装置稼動により堆積物からのリン溶出が抑制されたことが示された。更に、NH_4^+-N濃度は減少し、NO_<3^->-N濃度は増加していたことも判明した。これは底層の好気化に伴い、硝化反応が促進されたことを意味する。以上の現場観測により確認された水質改善効果は、鉛直一次元水質シミュレーションによっても指示された。以上により、ダム湖レベルのスケールをもつ水域においても本実験装置の稼動により部分的に水質改善効果を得ることができ、継続的に表層水を供給することにでその有効範囲を拡大できる再能性が示された。
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