研究分担者 |
松本 修 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80283042)
下條 隆嗣 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50014767)
岩田 一彦 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (40020119)
二宮 皓 広島大学, 教育学部, 教授 (70000031)
吉田 稔 信州大学, 教育学部, 教授 (40201016)
|
配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
|
研究概要 |
現行教科書は,児童・生徒の立場からみると,必ずしも読みやすい,わかりやすいものとはなっていない。アメリカで考え出された「教科書の読みやすさの尺度=Readability Formula」を参考に,日本の教科書の読みやすさ,わかりやすさを分析しようと試みた。しかし,言語体系の違いもあり,日本の教科書にReadability Formulaをそのまま適用することは無理であることがわかった。 そこで,教科ごとに教科書の記述例を作成して児童・生徒及び教師へのアンケート調査を行い、読みやすさ・わかりやすさについての阻害条件・促進条件などについて分析した。また,併せてアメリカ,イギリスの教科書との比較研究を行った。アンケート調査の結果から,教科書の望ましいあり方に関する教師と児童・生徒の意見に異なる点が数多くあることがわかってきた。 例えば,小学6年の算数では,教師は問題文に「日常生活的な状況説明」が無い方が,児童はある方がわかりやすいと考えていることがわかった。中学校の数学への移行を考え,漸次,日常生活的な状況説明のない記述に慣れてほしいという教師の教育的意図が感じられるが、児童にとっては日常生活的な状況説明が必要であるともいえよう。 理科の教科書では,教師は実験を重んじ,授業を通して新しい発見と興味を子どもに体験させたいと願うので,教科書には実験の結果についての記述を差し控えてあることを望むが,子どもは実験の結果についても詳しく書いてあり,読んでわかるような教科書を望む。 これらは研究成果のほんの一例である。教科書を教師が教えるための主たる教材であるとするならば,教師の考え方を尊重した編集方針が採用されるべきであろう。しかし,教科書を子ども自らが学校内で学習するための学習材であるとするならば,その編集方針もかわってこよう。
|