研究分担者 |
小林 信一 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (90186742)
大野 弘幸 東京農工大学, 工学部, 教授 (00176968)
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
加藤 毅 筑波大学, 社会工学系, 講師 (10233800)
鈴木 久敏 筑波大学, 社会工学系, 教授 (10108219)
小田切 宏之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114053)
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研究概要 |
本研究は,限られた研究資源(いわゆるヒト・モノ・カネ)の中で,優れた研究成果を数多く算出するためにはこの資源をどのように投入すればよいかについて調査研究を行い,今後の学術研究施策に資することを目的とするものである。 初年度には,既存調査の分析,大規模研究グループへの聞き取り調査,海外における研究資金配分の実態調査を行い,研究全体の枠組を検討した。2年度には,前年度からの議論を踏まえて,大規模なアンケート調査「学術研究活動のボーダレス化と資金供給システムに関する実態調査」を全国国公私立大学の研究者に対して実施し,2,513名から回答を得た。調査結果の分析の仕組みについて検討し,3年度にはアンケート調査結果のデータ解析・分析を行った。 アンケート調査にあたっては,研究資源配分の際に有効な意思決定に使えるよう,研究成果の判断の材料となる情報を調査・分析を通じてよりよい研究資源配分システムの構築を目指すこと,またその際は研究資金とともに研究資金以外の研究資源(ヒト・モノ・施設など)の配分システムの改善にも資することを目的とした。 その結果,例えば,研究費の多寡に関わらず,すべての研究者はマクロで見た場合,過去3年間にほぼ3割研究費が増加していること,ただし研究費に加えて必要とする研究資源は,人文社会科学分野では研究時間や図書,旅費など,自然科学分野では研究補助者や研究スペースなどを挙げる者が多いこと,また研究活動に関する諸規制の緩和などを要望する者は人文社会科学分野より自然科学分野が多いことなど,現状における学術研究環境や問題点,ニーズ等は研究分野によってそれぞれ異なっているという実態について定量的に明らかにした。また,研究分野別の差異,研究資源の多寡あるいは国立と私立などの設置者別の状況等も明らかにした。
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