研究課題/領域番号 |
12800008
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研究種目 |
特別研究促進費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀川 直顕 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (70022697)
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研究分担者 |
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
岩田 高広 山形大学, 理学部, 助教授 (70211761)
大東 出 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (90303594)
石元 茂 (岩元 茂 / 石本 茂) Physics Div., KEK, Assistant Professor (50141974)
松田 達郎 Miyazaki University, Faculty of Engineering, Associate Professor (20253817)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
2002年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2001年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | スピン / 核子スピン構造 / COPMASS / 偏極標的 / グルーオンスピン / COMPASS / クオークスピン / QCD / ミューオンビーム |
研究概要 |
本年度、初めて本格的な実験に入った。実験時間は5月27日から、追加時間を含めて9月23日までであった。実験を実施に導いた日本グループの研究内容を以下に記す。 (1)偏極標的 (i)希釈冷凍機とSMC磁石とを組み合わせた偏極標的システムを4月から立ち上げ、7月からの測定に間に合わせた。この間、超伝導磁石の冷却、希釈冷凍機の冷却、500cm^3を越える^6LiD試料の希釈冷凍機のミキシングチェンバー内への装着、偏極励起マイクロ波の調整および偏極度測定NMR回路(10個のピックアップコイル)の調整である。測定の間にマイクロ波電源が1個故障し、名古屋大学が保管している電源で実験を続けた。実験中の偏極度測定は日本グループが責任を負い、偏極度の導出、偏極度誤差の見積もり等、物理データに反映するところで責任を果たした。この間の偏極度は平均値で+56.41%、-50.08%を記録し、測定誤差は2.5%以下であった。 (ii)COMPASS磁石については、オックスフォード社と関連のある会社(Oxford Danphysik)で、ソレノイドコイルを設計し、巻き直すこととした。その設計段階で日本の専門家に協力を御願いし、大きな前進が期待できる状況にある。この磁石は平成15年の秋に完成し平成16年の実験から使う予定である。 (2)Scifiビームトラッカー ビームトラッカーScifi-1、2、3の3機は5月に設置し、Scifi-4については、設置場所の混雑からMicromega検出器をセットした後に7月に設置した。ミューオンビームの運転状況はエネルギー160GeV、ビーム強度2.2x 10^8/pulseで、この条件下で、時間分解能500ps(標的上流設置トラッカー)および700ps(標的下流トラッカー)、位置分解能130μm、検出効率96%,多重ヒット割合(マルティプリシティ)は1.1以下という優れた性能を示した。 (3)測定データ 実験は7月から徐々に本格化し、最終的には9月23日に終了した。この間、いくつかの予想しないトラブルもあったが、本格的実験の初年度としての役割は十分果たした。グルーオン偏極につながるスピン平行・反平行状態での反応は、57日、173k spillをデータとして取り込み、標的スピンが垂直成分の測定については、19日、52k spillを取り込んだ。全体で5G eventsを収集し、このデータの中でΔG/Gの決定につながるD^0(反D^0)事象は、29,000個、D^*事象は3,800個が見込まれている。このデータは現在解析中で、可能な限り早い時期にグルーオン偏極度(ΔG/G)についての報告をしたい。
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