研究課題/領域番号 |
12800011
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研究種目 |
特別研究促進費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金沢 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
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研究分担者 |
酒井 慎一 東京大学, 地震研究所, 助手 (00251455)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90134634)
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
笹井 洋一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20012924)
渡辺 秀文 東京大学, 地震研究所, 教授 (20113649)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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キーワード | 三宅島 / 神津島 / 新島 / 群発地震活動 / 海底地震観測 / マグマ探査 / 重力観測 / 電磁気観測 |
研究概要 |
平成12年6月26日に三宅島で始まった地震活動は三宅島・神津島間の海域に移動し、活発な活動が約2ヶ月続いた。その間に、三宅島では噴火と山頂部の陥没や、1日1〜2回の長周期ステップ変動など、数多くの現象が観測された。本研究では、これらの現象とマグマの移動を把握するために様々な観測を行なった。まず、地震活動が海域で活発化したため、自己浮上型の海底地震計7〜20台の設置・回収を繰り返し行なった。海底圧力計も2台設置し、海底の上下変動観測により海底地殻変動を把握した。さらにブイテレメータ方式の海底地震計も設置し、リアルタイムに海底での活動を知ることができた。式根島や三宅島では回線容量不足のため、新たに衛星テレメータ装置を設置し観測網の充実を図った。 この海底地震計と陸上の地震観測網のデータを統合処理することにより、海域での震源決定精度が上がり、詳細な震源分布が得られた。それによると海域の震源は、深さ2km〜15kmに分布し、深さ約7km以深では薄い板状に分布しているが、それより浅部では広がっていることが明らかになった。この震源分布には様々な移動が見られ、地下のマグマの動きに関係するものと考えられる。このデータを元にして、トモグラフィー法による3次元速度構造の推定によれば、板状の震源分布や三宅島西方海域の地震の発生しなかった領域では、周辺より速度が遅く、マグマの貫入を示唆する。この三宅島西方海域では変色域が見つかっていたため、潜水艇で海底噴出物の調査も行ないマグマの起源の情報を得た。 一方、強震計を三宅島・神津島・新島・式根島に設置し、震源過程の研究に用いられた。三宅島では、重力測定、磁場・電場・比抵抗の測定が行なわれ、マグマの位置や状態を知るための研究が進められている。さらに、GPS観測も行なわれ、三宅島の地殻変動を測定し、マグマの移動を知る手がかりになる。
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