研究課題/領域番号 |
12833001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
廉澤 剛 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (70214418)
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研究分担者 |
日下 雅美 武田薬品株式会社, 薬理研究所, 主席研究員
大泉 巌雄 中外製薬株式会社, 創薬第2研究所, 研究員
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
大泉 巖雄 中外製薬株式会社, 創薬第2研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 腫瘍 / 腫瘍休眠療法 / 分化誘導 / 血管新生阻害 / 犬 |
研究概要 |
悪性腫瘍が自然発生した犬に、開発研究段階の抗腫瘍薬である血管新生阻害剤TNP-470および/あるいは分化誘導剤OCTを投与し、これらの薬剤の副作用をおもに調べ、さらに可能な範囲で抗腫瘍効果について調べた。これらの研究薬による致死的な副作用を避けるために、低用量から開始し、副作用を認めなければ、主に2〜4週毎に投与量を増加した。 TNP-470は、1回あたり12.5〜223mg/m^2の量で、皮下あるいは静脈内に週1〜3回の割合で投与した。この研究薬は42症例に使用し、副作用と考えられる徴候として、ふらつきあるいは震えが7症例に認められ、次いでけいれん発作が3症例に、出血、食欲低下および嘔吐がそれぞれ1症例に認められた。これらの臨床徴候と投与量には有意な関係は認められなかった。血液検査においては、赤血球数の減少、白血球数の増加、クレアチニン値の上昇およびアルカリフォスファターゼ値の上昇を認めたが、重篤なものはなかった。 OCTは、1回あたり0.03〜0.12μg/kgの量で毎日経口投与した.この研究薬は、26症例に投与されたが、2週以上にわたり投与された21症例中7症例に高Ca血症が認められた。このうち5症例は0.03μg/kgの投与量によって6週以内に生じたが、残りの2症例は0.12μg/kgまで増量した半年後に生じた。高Ca血症は休薬によって1週以内に正常に復した。他の血液生化学検査においては白血球数の増加を認めたが、重篤なものではなかった。 抗腫瘍効果に関しては、比較対照がないため腫瘍の成長速度や遠隔転移率を抑制しているかを明らかにすることは難しかったが、原発巣あるいは転移巣に縮小が認められた。また、高率に転移が生じる骨肉腫などの症例においては、長期にわたって転移が生じない症例も認められた。 以上のことから、今回用いた新規血管新生阻害剤と分化誘導剤は、従来の抗癌剤と比較して重篤な副作用は極めて少なく、また腫瘍が縮小する症例を認めたことから、腫瘍休眠療法を目指す治療薬としてさらに検討する価値が大きいと思われた。
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