研究課題/領域番号 |
12833006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
島田 章則 鳥取大学, 農学部, 教授 (20216055)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域健康指標研究室, 主任研究員 (20256390)
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | イヌ / 脳 / 加齢 / 鉄 / メタロチオネイン / 8-0HdG / 8-OHdG / フェリチン |
研究概要 |
イヌの脳内加齢性諸変化、特にフリーラジカルの関与が指摘されているニューロンの変性性変化および鉄蓄積との関連性、脳における鉄濃度の恒常性破綻機序を明らかにする目的で、1.加齢性諸変化および鉄の分布、局所での蓄積部位(細胞種、細胞内外の局在)、2.鉄の輸送・取込みに関与することが知られている諸蛋白質(トランスフェリン、メタロチオネイン)の局在を分子病理学的に観察した。また、フリーラジカル傷害の指標としての8-0HdG,4HNEの脳内での加齢に伴う変動にも注目した。抗酸化作用を有するメタロチオネインの脳内の発現の推移については、形態学的観察に加え、凍結脳組織を用いての生化学的分析も実施した。その結果、以下の所見が確認された。 1.鉄元素の脳内蓄積:電子顕微鏡所見 淡蒼球、視床下核、黒質および白費のグリア細胞(特にオリゴデンドロサイト)のサイトゾール内に3価の鉄の顆粒状の局在が確認された。細胞内呼吸を担うミトコンドリアの膜上にも時折確認されたがミトコンドリア自体の形態学的異常所見は見られなかった。 2.鉄結合蛋白フェリチンの確認:免疫電子顕微鏡所見 3価の鉄の分布に一致して、上記の部位のグリア細胞細胞質内に顆粒状の陽性所見が認められた。鉄およびフェリチンの加齢に伴う陽性所見の増強が見られた。 3.脳におけるフリーラジカル傷害の加齢に伴う変化 大脳皮質ならびに白質に加齢に伴い、8-0HdG,4HNE陽性所見が増加することが認められた。これらの変化は、視床においても確認され、その部位では鉄蓄積が顕著であった。 4.抗酸化作用を有するメタロチオネイン蛋白の加齢に伴う変化 MT-I陽性所見の加齢に伴う増強(主にアストロサイト)が見られた。一方、MT-III陽性所見は、若齢個体でも強い陽性所見を示し、主に神経細胞での発現が著明であった。水銀置換法による生化学的分析により、総メタロチオネイン量は加齢に伴い減少する傾向にあることが示された。 5.鉄結合蛋白トランスフェリンの確認:免疫組織化学的所見 血管内皮細胞細胞質に陽性所見が見られたが、本所見の若齢個体および老齢個体間での差(強さ、分布)は特に見られなかった。 以上の結果から、老齢犬の大脳白質において進行している変性性変化(軸索の膨化、脱落)発生の背景に鉄を介したフリーラジカルが関与する可能性のあること、ラジカル傷害への防御機構としてメタロチオネイン蛋白(MT-I, MT-III)が関与していること、加齢に伴いメタロチオネイン蛋白発現が低下することが示唆された。
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