研究課題/領域番号 |
12834010
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
望月 敦史 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10304726)
|
研究分担者 |
巌佐 庸 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70176535)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 数理数理生物学 / 発生・分化 / 理論発生生物学 / 応用数学 / 生物物理 / 理論生物学 / 発生 / 細胞選別 / 細胞間接着 / 錐体モザイク / 反応拡散方程式 / パターン形成 |
研究概要 |
魚類の網膜上では異なる光波長に感度のピークを持つ4種類の錐体細胞(B, U, G, R)が、規則正しく並んだ錐体モザイクをつくる。実験的にはこのパターンの生成メカニズムはまだ明らかではない。錐体モザイクが形成されるメカニズムを、異なる生物学的仮定に基づいた幾つかの数理モデルを解析することで明らかにした。分化済みの細胞が細胞間接着力に依存して移動をすると仮定したセルソーティングモデルによって、ゼブラフィッシュのrowmosaicが説明できることを明らかにした。また、同一の枠組みのモデルで異なる細胞間接着力の大きさを与えた時に、もう1つの代表的なパターン、メダカのsquare mosaicが生成できた。また、それぞれのパターンが生成されるための細胞間相互作用の条件を定めることができた。さらに同様の解析を、未分化な細胞の将来の運命が最近接相互作用によって決まるとしたモデルで行った。以上は格子モデルを行って解析したものであり、細胞はあらかじめ正方格子状に配置して細胞移動はその制約下で起こると仮定していた。 今年度は、細胞が連続面上を自由に移動できるモデルを考え解析した。計算機シミュレーションから、モザイク配列の維持には、格子モデルにより得た条件を細胞間接着力が満たすことが必要だと分かった。しかしランダムな初期配列を与えると、形態形成に時間がかかりモザイク形成確率は非常に低い。実際の網膜の端では、錐体細胞分化直後には各種の錐体細胞はほぼ一様に分布することが実験で示されている事から、細胞が少数ずつ形態形成に加わり、その際同種細胞同士が側方抑制する機構を加えた。この結果、ランダムな分布から自律的に正方格子の配置が生まれ、モザイクが形成されると分かった。以上から、実際の網膜パターンについて接着力と分化による空間配置の両方が重要だと予測できた。
|