研究課題/領域番号 |
12835007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平田 健一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20283880)
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研究分担者 |
井上 信孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10304099)
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リパーゼ / リポ蛋白 / 動脈硬化 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / マクロファージ / 冠動脈 / モレキュラークローニング / 血管内皮細胞 / HDL / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1.生体内におけるEDLの発現部位の解析 ヒトおよびマウスの全身のEDL蛋白質の存在部位をウェスタンブロットおよび免疫組織化学的に解析した。EDLは正常ヒト冠動脈において血管内皮細胞、血管平滑筋細胞に発現していた。また、EDLは動脈硬化血管においては血管内皮細胞、血管平滑筋細胞に加えて動脈硬化巣のマクロファージ、新生血管にも強く発現していた。これらの結果から、脂質代謝のみならず血管機能を制御していると考えられた。また、動脈硬化病巣に強く発現していることから、動脈硬化の進展への関与も考えられた。 2.ラットEDLのクローニングとEDL遺伝子の発現調節機構 私達はヒトおよびマウスに引き続き、ラットEDL cDNAをPCRを用いてクローニングした。ラットEDLはヒトおよびマウスEDLと高い相同性を有しており、その活性中心および三次構造を決めるシステイン残基は完全に保存されていた。また、血管リモデリングにおいて重要であるAngiotensin IIによってEDL mRNAの発現は誘導された。また、血管内皮細胞においてTNF-αやIL-1βなどの炎症性サイトカインのみならず拍動性の伸展やずり応力などの機械的刺激などでEDLの発現が亢進することを明らかにした。これらの結果からEDLは高血圧や動脈硬化などでその発現が変化する可能性が示された。 3.EDLのノックアウトマウスの作成と解析 現在、EDLノックアウトマウスを作成し、脂質を解析中であるがEDLノックアウトマウスではHDLの血中濃度が上昇する傾向を認め,マウスにおいてEDLはHDL代謝に重要な役割を果たしていると考えられた。 以上の結果より、EDLはHDLをはじめとするリポ蛋白代謝や血管局所でのリポ蛋白の取込みに関与し、動脈硬化をはじめとする血管病変の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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