研究課題/領域番号 |
12836003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加納 安彦 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50252292)
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研究分担者 |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ZAKI-4 / calcineurin / mouse / neuronal development / thyroid hormone |
研究概要 |
ラットを用いた動物実験から、ダイオキシン類暴露により血中の甲状腺ホルモン濃度が減少することが報告されている。したがって甲状腺機能低下状態のラットにおけるZAKI-4遺伝子発現の動態を観察することでダイオキシン暴露による影響を推測できるのではないかと考え、甲状腺機能低下ラットを作製し、生後の脳でのZAKI-4mRNAの発現を検討した。発達中の大脳皮質でのZAKI-4mRNAの発現増加が甲状腺機能低下症により減弱していることが示された。特に、in situハイブリダイゼーション法により、ラット脳では大脳皮質第VI層においてのみ甲状腺機能低下症によりZAKI-4mRNAの発現が低下していた。一方、小脳では生後発現量に変化はなく、また甲状腺機能低下症の影響を受けなかった。以上の結果より、甲状腺機能低下症による脳でのZAKI-4mRNAの発現は領域特異的に変化すると考えられる。この研究成果はEndocrinology誌(142巻、1752-1759頁、2001年)に掲載された。したがって、ダイオキシン類暴露によっても、発達中の脳でのZAKI-4遺伝子発現に変化が引き起こされる可能性が想定される。また、これまでの研究からZAKI-4には2種類のmRNAの存在が明らかとなった(αおよびβと命名)。ZAKI-4遺伝子のゲノムDNAをクローニングし遺伝子の構造を解析したところ、マウスZAKI-4αおよびβmRNAは選択的スプライシングにより単一の遺伝子より生成されることが明らかとなった。これらの結果は、Environmental Medicine誌(45巻、75-79頁、2001年)に掲載された。さらに、マウスZAKI-4遺伝子の5'上流約4kbをクローニングし塩基配列を解析したところ、ヒトと同様にマウスZAKI-4遺伝子には、多くの遺伝子の転写開始点のすぐ上流に存在するTATAボックスあるいはGCボックスが存在しなかった。また、塩基配列を比較してみるとマウスにgtあるいはagという繰り返し配列がある以外は、非常によく保存されていたが、残念ながらマウスZAKI-4遺伝子の上流域にXREは存在しなかった。一方、転写因子AP-1やAML-1a、神経系の発生に関わっているといわれているPbx-1に対する結合配列がヒトとマウスでその位置も保存されており、実際にこれらがZAKI-4の転写調節に働いている可能性が考えられる(投稿準備中)。この他、抗ZAKI-4抗体を作製し、脳における局在を検討した(投稿準備中)。
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