研究課題/領域番号 |
12836013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉田 浩己 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90036476)
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研究分担者 |
大井 恭代 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70253862)
梅北 善久 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80244226)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Endocrine disruptor / Rat / 7,12-dimethylbenz(a)anthracene / Mammary carcinoma / 7, 12-dimethylbenz(a)anthracene |
研究概要 |
現在日本において、乳癌は急激な増加中で、近い将来、婦人の死因のトップになると推定されている。これまでの研究により乳癌の発生には、社会環境やライフスタイルなどが深く関与していることは、明らかである。特に危険因子としては、エストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰作用を引き起こす、初経の早期化、閉経の遅延、閉経後の肥満などが万国共通に考えられている。しかし、これら生理的なエストロゲンの変化のみでは、第二次世界大戦後の米国や最近の日本における急激な乳癌の増加は説明できないように思われる。 我々は、エストロゲン作用のある内分泌かく乱物質の複合汚染が世界的な乳癌の増加の基本的な原因でないかと推測し、これに関する基礎的情報を得るために本研究は行ったものである。 その結果、以下のことを明らかにした。 1.強力なエストロゲン作用のあるDiethylstilbestrol(DES)は、妊娠期では流産、分娩異常、新生仔期では視床下部の性周期中枢性腺刺激機構の異常による排卵障害や精子低形成などの内分泌かく乱を引き起こす。 2.新生仔期にDESの1回投与をうけた雌ラットの乳腺では、Terminal end budsの数が増え、7,12-dimethylbenz(a)anthracene(DMBA)による乳癌が高頻度に誘発される。 3.生活環境に実在する微弱なエストロゲン作用を有する4-n-octylphenol(n-OP)の極めて大量な投与は、雄ラットにおけるDMBAによる乳癌の誘発を促進する。 4.n-OPの雌ラットへの新生仔期1回のみ投与は、内分泌かく乱を引き起こさない。 現在、多種類の弱エストロゲン作用を有する化学物質の長期・複合暴露による内分泌かく乱作用の検索と、これらの物質の投与をうけた乳腺のTerminal end budsをlaser capture microdissectionで切り出し、RNAを抽出した後、DNAチップで遺伝子発現を検索し、これらの物質の作用機序を検討中である。
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