研究課題/領域番号 |
12839007
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源の変換と展開
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢野 浩之 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80192392)
|
研究分担者 |
井上 誠一 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー利用部門, 主任研究員
森田 慎一 鹿児島県工業技術センター, 化学部, 主任研究員
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70151686)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | タンニン / アカシアマンギウム / 樹皮 / 早生樹 / 成型物 / 接着剤 / 強度特性 / 耐水性能 / 耐水性 / 再生可能資源 / プラスチック |
研究概要 |
最終年度にあたる本年度は、代表的な広葉樹早生樹であるアカシアマンギウムについて、その樹皮に含まれるタンニンの樹幹内分布、樹皮の乾燥条件および貯蔵条件による反応性の変化等について明らかにした。さらに、タンニンを高濃度で含む樹皮粉末の成型物、接着剤原料としての利用について検討した。最後に、これまでの3カ年にわたる研究成果を冊子にまとめた。 1)アカシアマンギウム樹皮に含まれるタンニンの樹幹内分布:10年生のアカシアマンギウムをインドネシア、ボゴールの植林地において2本伐採し、高さ方向での樹幹直径、樹皮厚さ、外樹皮比率、タンニン含有率、タンニン反応性(ゲル化時間)等について測定した。採取位置が高くなるにつれて、樹皮厚さおよびタンニンを高濃度で含む外樹皮比率はともに低下した。また、外樹皮に含まれるタンニン量も、各個体ごとに、採取位置が高くなると低下した。結果として、地際から6m程の高さまでに、全樹皮タンニン量の約9割、約6kgのタンニンが含まれていることが明らかになり、効率よくタンニンを得るには、高さ6mあたりまでの肉厚の外樹皮を採取することがよいといえた。 2)タンニンの成型物・接着剤原料としての熱的安定性、保存性:アカシアマンギウムタンニンの商業的利用を目的として、伐採後の樹皮乾燥条件、貯蔵期間がタンニンの抽出効率、反応性等に及ぼす影響について検討した。タンニン樹皮を、全く熱を加えない状態から105℃、2日間の条件まで変化させて乾燥させたが、乾燥樹皮からのタンニン抽出量、ゲル化時間に有意差は認められなかった。また、伐採直後から最大6ケ月間まで定期的に樹幹より樹皮を採取し、50℃で乾燥してタンニン抽出量、ゲル化時間を測定したが、貯蔵期間による違いは認められなかった。以上のことから、アカシアマンギウム樹皮タンニンは、熱的に安定しており、扱いが容易であることが明らかになった。 3)粉砕樹皮粉末のふるい分けによる物理的タンニン濃縮:ワイリーミルで粉砕後、ふるい分けした樹皮粉末における粒径とタンニン濃度の関係から、63ミクロン以下の粒径の樹皮粉末は、タンニンを60%も含むことが見いだされた。さらに、これらは抽出プロセスを経ないで成型物および接着剤へ直接的利用できることを確認した。
|