研究課題/領域番号 |
12839008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源の変換と展開
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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研究分担者 |
田中 文男 京都大学, 木質科学研究所, 講師 (10109069)
渡辺 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | マンガンペルオキシダーゼ / リグニン分解酵素 / 担子菌 / 西洋ワサビペルオキシダーゼ / 1電子化 / ラジカル重合 / 共重合体 / アルブチン / 1電子酸化 / 白色腐朽菌 / ポリグアイアコール / ポリアクリルアミド |
研究概要 |
リグニン分解性担子菌Bjerkandera adustaの生産するマンガンペルオキシダーゼ(MnP)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の触媒する1電子酸化反応を利用するポリマーの合成を試みた。 まず、両酵素を用い、50%有機溶媒中においてグアイアコールを基質としてポリグアイアコールを合成した。特に、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル中での反応により60%以上の収率でDMF不溶性の重合度の高いポリマーが得られた。得られたポリマーの重量平均分子量は1700付近であった。^<13>C-NMRおよびIR分析により、ポリマー中にはC-C、C-0およびキノン構造が含まれることが示された。また、MnPにより得られたポリグアイアコールにおいてはキノン構造がより多く含まれることが示された。熱分析により、ポリグアイアコールは明確な結晶構造を持たないことが明らかとなった。さらに、種々の化合物の重合反応を行い、フェノール、o-メトキシフェノール、o-およびm-メチルフェノール、m-アミノフェノールのポリマーも合成された。 ついで、MnPによるグルコースのC1にアグリコンとしてヒドロキノンをもつアルブチンの重合を50%ジオキサン中で行ったところ、35%の収率でメタノールに不溶性のポリマーを得た。^<13>C-NMR分析により、アルブチンポリマーはヒドロキノン部分で重合していることが明らかとなった。また、ポリマーの平均分子量は1200であることが示された。さらに、この反応系にp-クレゾールを共存させたところ60%の収率で共重合体が合成された。^<13>C-NMR分析により、p-クレゾールがヒドロキノンに結合し、この産物が重合して共重合体を与えることが明らかとなり、平均分子量が1500であることが示された。一方、HRPによる反応では、アルブチン自身の重合は認められず、p-クレゾールとの共重合体の生成のみが認められた。このことは、MnPはHRPよりも高いヒドロキラジカル生成能を持つためと考えられる。
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