研究課題/領域番号 |
12871003
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
関口 順 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10107518)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 天 / 人 / 経学 / 民 / 聖人 / 縉紳先生 / 道 / 人倫 / 礼 / 陰陽 |
研究概要 |
昨年度までの研究成果は「<天><人>観念の形成とその相関性の確立について」と題して『埼玉大学紀要・教養学部』第37巻第2号に発表することができた。今年度は、引き続き、確立された<天><人>の相関関係が中国の文化構造のなかで具体的にどのような位置と役回りを持っていたか、について考察をすすめた。 その結果を一言で言えば、それは前漢末以降の中国文化の主要な領域において決定的に作用した儒学の経書解釈学の機能を哲学的に支えたという点である。現代の言葉でいう、政治思想、倫理思想(修養論)として顕著に現れる部分である。 政治思想における<天><人>の関係は、天命を受けた王が自国の治を媒介にして天子として天下を統治するという「天命思想と<天下・国>構造の一体化した理論」を支えるかたちで出てくる。つまり、そのときの天子の政教は、人間社会の在り方の根源である<天>の道理をいかに自己の政治・教化を通して実現していくか、ことばを換えれば、人をいかに<天>の状態に近づけていくか、という社会的規模での<天>人一致の達成へ向けた事業として位置づけられる。 <天><人>の関係は、『中庸』によって切り開かれ、宋代の思想家によって深められた修養の理論体系のなかでもその機能を発揮している。それは、内面的な<天>を措定することにより、真の<人>の在り方は、その<天>の直接の展開として--社会的な関係においても、心性の完全化の面においても--実現されるという理論である。 以上の報告は、要点なので分かりにくいかもしれない。全体の内容は、近々まとめて出版する予定である。
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