研究課題/領域番号 |
12871004
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東長 靖 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (70217462)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | イブン・アラビー / スーフィズム / 神秘主義 / 地域研究 / イスラーム |
研究概要 |
研究の最終年度である本年度は、1)学派の地域間比較、2)イブン・アラビーの主著およびそれに付けられた注釈の検討、3)より広くスーフィズムをどう概念化するか、という3点につき、研究を行った。 1)については、平成14年度は、学派の地域間比較を試みた「イブン・アラビー学派の伝播と融合」を発表することから始まった。この作業を進めていくなかで、東アジア・東南アジアからサハラ以南アフリカにまで至るアラビア文字文化圏についても検討を加え、「アラビア文字による他言語表記とアラビア文字文化圏」として発表した。 2)については、成果の一部を、翻訳・解説・訳注という形で、「イブン・アラビー『完全人間論』」として発表予定である。これはまだ、研究期間に行った大部な翻訳・訳注作業の一部を公刊したものに過ぎず、よりまとまった形で公開することを予定している。 3)は、学派内におけるイブン・アラビー像を検討していく際に出てきた問題である。イブン・アラビーは、スーフィズムの教科書に必ず取り上げられる人物でありながら、本人はそう自称するのを好まなかったことが知られている。現代のイランで、彼の法統に連なる学派の人々が、彼をスーフィーではないと考えている一方、トルコ・アラブ地域においては、彼はまさしくスーフィーの代表格と考えられている。それはなぜかという問題意識から、スーフィズムとは何かを正面から取り上げたのが、「スーフィズムの分析枠組」であり、スーフィズムを聖者信仰との関係において論じたのが、"Sufi Saints and Non-sufi Saints in the Clasical Period of Islam"である。 なお、本研究を始めた平成12年度にこのテーマで国際会議を主催したが、これを元とした英語による研究書の刊行計画は現在進行中で、平成15年度中に刊行したいと考えている.
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