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生命倫理学の方法論としての「物語論」の可能性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 12871005
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 倫理学
研究機関新潟大学

研究代表者

宮坂 道夫  新潟大学, 医学部, 助教授 (30282619)

研究分担者 佐山 光子  新潟大学, 医学部, 教授 (50149184)
櫻井 浩治  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80018712)
研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード生命倫理 / 方法論 / 物語論 / ナラティヴ / 生殖医療 / 終末期医療 / 物語 / 医療倫理 / 臨床倫理
研究概要

本研究では、生命倫理上の事例を、複数の当事者の物語の総体として把握した上で、一定の判断が導かれる過程を検証することを目標とし、(A)生殖医療(不妊治療、障害児の中絶等)および(B)終末期医療(癌告知、延命治療の可否等)の二つの領域を中心に、当事者の「語りnarrative」を収集した。次いでこれらの「語り」を、(a)各当事者(患者、家族・近親者、医療従事者)にとってその事例がどのような経験であったか、(b)当事者は過去にどのような経験を持ち、人生の中でその事例をどのように位置づけているか、(c)当事者は選択可能な将来の物語をどのように予見している(いた)か、またどのような選択が可能である(あった)か、(d)当事者は実際の判断に際してどのような推論のプロセスをたどったか、ということに焦点を当てながら整理した。こうして得られた「物語」の集成を事例横断的に比較しながら、(a)当事者間での「物語」の固有性、(b)「物語」の選択可能性、および(c)その選択を支えた論理構造を中心に、判断プロセスを分析した。その結果、(1)経験と語りの「位置」(その経験を予見する位置、その経験の最中にある位置、その経験を通り抜けた位置、など)によって同一の経験の意味づけが変化する、(2)経験の意味づけにはいくつかの共通した構造がある(他者の物語を参照する、自己の物語の推移によって状況は「改善」されていると見なす、現在を注視して、過去や将来の経験を倭小化する、など)、(3)このような物語的構造が自己と他者(家族、支援者、医療関係者など)とのあいだで乖離している場合に、現実の行動の選択・意思決定をめぐってジレンマにつながる、といった点が示唆された。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (24件)

  • [文献書誌] 宮坂道夫: "生殖補助医療政策に関する「物語的正義」についての試論"医学哲学倫理. 20号. 66-78 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "資源化の正義と物語的正義-生命倫理学における正義論についての試論-"生命倫理. 13号. 168-174 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "医療倫理学とは何か-「オープンネス」をキーワードとして-"日本放射線技師会雑誌. 49(4). 322-327 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "NBM (Narrative Based Medicine)"歯界展望. 100(3). 610-611 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-医療倫理学とは何か?"看護学生. 50(1). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-医療倫理学の「思考の道具」(その1)"看護学生. 50(2). 60-61 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-医療倫理学の「思考の道具」(その2)"看護学生. 50(3). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-医療倫理学の「思考の道具」(その3)"看護学生. 50(4). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-性,生殖,育児についての問題(その1)"看護学生. 50(5). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-性,生殖,育児についての問題(その2)"看護学生. 50(6). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-性,生殖,育児についての問題(その3)"看護学生. 50(7). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "着護倫理への招待-性,生殖,育児についての問題(その4)"看護学生. 50(8). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-性,生殖,育児についての問題(その5)"看護学生. 50(9). 64-65 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-死についての問題(その1)"看護学生. 50(10). 64-65 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-死についての問題(その2)"看護学生. 50(11). 64-65 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "看護倫理への招待-死についての問題(その3)"看護学生. 50(12). 60-61 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Miyasaki M, et al.: "Narrative Approach to Ethics Education for Students Without Clinical Experience"Forensic Science International. 113(2000). 515-518 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "物語的正義-生命倫理学における正義論についての試論-"日本生命倫理学会第13回年次大会プログラム・予稿集. 40 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫 他: "生殖補助医療に関する意志決定過程における正義、特に「理解可能性」についての一考察"第20回日本医学哲学・倫理学会大会プログラム・予稿集. 20 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤尚武・編: "共生のリテラシー -環境の哲学と倫理-"東北大学出版会. 226 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] G.Pence著, 宮坂道夫, 長岡成夫訳: "医療倫理 -よりよい決定のための事例分析-(1)"みすず書房. 356 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] G.Pence著, 宮坂道夫, 長岡成夫訳: "医療倫理 -よりよい決定のための事例分析-(2)"みすず書房. 416 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Miyasaka M: "Norrative Approach to Etlics Education for Students Without Clinical Experience"Forensic Science International. 2000・113. 515-518 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] G.ペンス 著 宮坂道夫,長田成夫 訳: "医療倫理:よりよい決定のための事例集(2)"みすず書房. 464 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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