研究課題/領域番号 |
12871034
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 晶子 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (10231375)
|
研究分担者 |
皇 紀夫 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40077392)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | レトリック / テクスト論 / 語り分析 / 小原國芳 / 教育詩学 / 教育言説 / ポイエティーク / たとえ / テクスト分析 / メタファー / 詩学 / 臨床知 |
研究概要 |
本年度は最終年度にあたるため、これまでレトリック論による分析を進めてきたテクスト、とりわけドイツ語圏でのカント、ヘルバルト、キルケゴールらのテクスト、日本語では小原國芳の講演原稿や三木清ら京都学派の思想テクスト、および野口晴哉や二宮尊徳のテクストの解読を通して、その語りの技にみる特質を解明した。これらのテクストに共通する特質として、人間の変容や教育の本質にみる「語りえないもの」を表現するための比喩や弁証法的な媒介項としての新たな概念の創出といった技法が浮き彫りになってきた。小原の「全人」、京都学派の「無底の底」、「構想力」、野口の「全生」といった概念、あるいは二宮の「水車の譬え」などは、語りにおいて伝達することを最も強く意図した際に編み出されてきた技法である。このようは語りの技は一方で、人間形成や教育の語りを豊かにする働きをなすと同時に、他方、そうした概念の多用は、逆に語りの陳腐化をも生む諸刃の刃のようなものであることが明らかになったといえる。こうした技法をいかにして教育の語りの活性化につなげていけるかが今後の課題となるだろう。以上の分析を通して、さらに教育詩学の学問としての性格づけやその研究領域について現時点での見通しをたて、萌芽的研究の段階から本格的な研究への展開可能性について検討を加えた。本研究の成果は、口頭では教育思想史学会のコロキウムにおいて発表したほか、二宮尊徳のシンポジウムにおいて報告した。さらに最終年度につき本研究の成果を公表するために成果報告書を作成した。
|