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古代青銅鏡の割れ方に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 12871048
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 考古学(含先史学)
研究機関高岡短期大学

研究代表者

三船 温尚  高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (20181969)

研究分担者 小堀 孝之  高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (30279856)
菅谷 文則  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
横田 勝  高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (10029225)
清水 克朗  高岡短期大学, 産業造形学科, 講師 (70235646)
宮原 晋一  橿原考古学研究所, 調査第二課, 主任研究員 (90250373)
研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード鋳態鏡 / 淬火態鏡 / 回火態鏡 / 高錫青銅鏡 / 青銅病 / 割れ方 / 経年変化 / 腐食 / 熱処理 / 破鏡 / 破壊実験 / 模造鏡 / 腐食面 / 焼き入れ
研究概要

熱処理後の破壊実験と出土鏡の割れ方の状況を比較し、古代技法の秘密を探ろうと研究を進めてきた。ところが、この比較研究に大きな壁が立ちふさがった。それは、腐食により鏡胎から銅だけが抜け出るという経年変化である。これは、長い年月を経て鏡に青銅腐食病すなわちブロンズ病が進行すると、鏡胎から銅だけが抜け出て、鏡内部は多孔質になるという変化である。このように経年変化をおこした鏡は、もはや本来の青銅ではない。したがって、腐食してブロンズ病が進行した鏡の割れ方を、この割れ方研究の資料にする場合、慎重に扱わなければならない。
また数少ない回火実験も行った。焼き入れして割れにくくなった鏡を、再度低温加熱し焼き戻し(回火)をすると、再び割れやすくなる。この点は、すでに組織観察から熱処理を報告した何 堂坤とは異なる。なお、何 堂坤の実験は高温加熱で焼き戻しており我々の低温加熱とは異なる。模造鏡を破壊した割れ方と出土鏡の割れ方における(割れやすさ)・(割れ方)・(破断面)は以下の通りである。
(1)鋳態鏡・・・・・・・・・・・・・・(非常に割れやすい)・(直線的割れ)・(平滑面で貝殻剥離状の破断面)
(2)淬火鏡(低温短時間加熱)・・・・・(割れやすい)・(折れ線的割れ)・(平滑面でやや凹凸あり)
(3)淬火態鏡(高温長時間加熱)・・・・(割れにく)・(折れ線的割れ)・(小さな凹凸激しくあり)
(4)回火態鏡(低温淬火後の高温回火)・(やや割れにくい)・(折れ線的割れ)・(平滑面でやや凹凸あり)
(5)回火態鏡(高温淬火後の低温回火)・(割れやすい)・(直線と折れ線的割れ)・(平滑面で凹凸の筋あり)
(6)青銅病が進行した出土鏡・・・・・・(不明)・(細かく折れ線的)・(多くは錆が付着してい)
山東省文物考古研究所収蔵鏡448面の割れ方の中には、我々が実験した高温長時間加熱の淬火態の割れ方を示すものはなかった。これは、焼き入れ(淬火)をしていない鋳態鏡なのか、短時間低温加熱焼き入れ鏡なのか、あるいは、焼き入れ後の焼き戻し鏡なのか、現在のところ結論を出すには至っていない。今後は、福岡県平原方形周溝墓出土の破鏡や広島県福山市石鎚山2号古墳出土の再利用鏡など、青銅病の影響を受けない割れを精査して、この割れ方から古代の詳細な熱処理を解明したい。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 三船温尚, 宮原晋一, 他: "高錫青銅鏡的熱処理和凸面湾曲及其破裂状況"第6回中国少民族科学技術史国際会議論文集. 3-7 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 三船 温尚: "熱処理・割れ方・錆び方から探る高錫青銅鏡の製作技法"黒塚古墳から卑弥呼がみえる. 19-36 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 三船温尚, 横田勝, 菅谷文則, 他: "古代青銅鏡の割れ方に関する基礎研究"平成12年度〜14年度科学研究費萌芽研究成果報告書. 1-45 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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