研究課題/領域番号 |
12871056
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
加藤 めぐみ 明星大学, 一般教育, 助教授 (30247168)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | オーストラリア文学 / ポストコロニアル / 日本人像 / オーストラリア / 日本 / 印象(イメージ) / オセアンア |
研究概要 |
本研究では、まず平成12年度に、20世紀の歴史の中でもあまり接点がなかった第1次大戦以後、オ-ストラリア(以下、豪)と日本が初めて実際に敵対した第2次大戦中の豪戦争文学というジャンルに焦点をあてた。中でも、豪人兵の日本軍捕虜体験記を中心に、仮想敵としての虚像と、敵=支配者としての実像を比較、考察した。互いに接触がなかった両国民が、敵として初めて対峙し、中でも捕虜という特異な状況において極限の異文化折衝を経験し、それが文学にどのように表出したかを追った。 平成13年度には、被支配者となった日本人像を、豪国内戦争捕虜収容所をテーマにした文学作品及び戦後の連合国進駐軍関連の作品において検討した。立場を逆にした異文化折衝により、豪側が日本・日本人を理解する(または理解しない)過程が文学にいかなる形で表現されたかを追った。以上を19世紀後半から戦前にかけて、豪州人が日本人に対して抱いていた仮想敵または「蝶々夫人」に見られるようなロマンスの相手としての像と、比較検討を行った。このように豪文学に見る日本人像の変遷を辿ることにより、「日本人像」が持つ意味について考察する機会ともなった。さらに英語文学の一分野としての豪文学の研究とともに、豪歴史・社会・文化と日本とを関連づける成果が得られた。 以上の結果を研究成果報告書にまとめた。成果の一部として出版・口頭発表した原稿も共に収めてある。 本研究ではまた、豪においても、新たな視点からの豪文学研究となると考えられ、University College (Australian Defence Force Academy, University of New South Wales)のBruce Bennett教授、Adrian Caesar博士らより、本研究を博士論文の一部としてまとめる教示を受けた。
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