研究課題/領域番号 |
12874051
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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研究分担者 |
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教授 (00291500)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 放射光 / 融解 / 透過X線像 / 高温高圧 / 金 / SPrng-8 / X線その場観察 / イメージング / 透過X線 |
研究概要 |
SPring-8において、高温高圧下での金の融解観察を透過X線とCCDカメラを利用しておこなった。圧力は圧力媒体として用いたMgO、NaClおよび試料の金は箔、塊、線状の金を用い、いずれが形態変化を捉え易いかを比較した。また、試料まわりの圧力媒体の材質も変化させ、最も観察し易いものを選択した。X線その場観察をおこなう前に、予備実験として愛媛大学の高圧装置を用い、急冷回収試料の融解に伴う形状変化を光学顕微鏡およびSEMを用いて観察した。 透過X線その場観察において、最も融解が検出し易いのは上記のうち線状の試料であった。2次元、3次元のディメンジョンをもつ箔や塊状の試料は高圧セル中の温度勾配の影響を受け易く、融解にともなう形状変化は試料全体が融ける温度近くになって初めて可能であった。これに比べて1次元の線状の試料は、入射放射光に垂直に試料を置くことにより、その融解を瞬時に判断することができた。また、線状の試料の場合電気抵抗の同時測定が可能であり、その変化から融解を見積もることができる。 上記のような手法を用いて、金の融解実験を約20GPa程度までの圧力範囲で数点おこない、融解曲線を制約することができた。これによると、金の融点は圧力上昇に伴い大きく上昇し、20GPaでは2000℃近くまで上昇する。このように、X線その場観察による物質の高圧下での融点の決定を試みるという当初の研究目的を達成することができ、更にこのようにして得られたデータと急冷実験の結果とを組み合わせて、研究成果を論文としてまとめつつある。また、同様の手法を用いた銀などの金属の高圧下での融点測定も試みつつある。
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