研究課題/領域番号 |
12874065
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜多村 昇 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50134838)
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研究分担者 |
石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80311520)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 単一油滴 / 界面活性剤 / 顕微分光 / 自励発振 / 振動数 / 界面張力 |
研究概要 |
界面活性剤を含む水溶液中にキャピラリー先端から微小油滴を生成させると、キャピラリー先端に保持された油滴自身が激しく自励発振することを見出した。本研究においては、この自励発振現象を顕微鏡下で観察するとともに、振動を支配する要因の解明やレーザー散乱法などを用いて、その発振周波数の決定を試み、その特徴を明らかにした。 自励発振現象が起こるためには、水相中にsodium dodecylsulfateなど界面活性剤の存在が必要不可欠であること、油相としてはオクタノール、ノナノール、ブタノールなどの低極性ではなく、水への溶解性が適度に高い必要があることを明らかにした。極性の低いニトロベンゼンや、カチオン性・中性界面活性剤を用いた場合には、油滴の発振現象は確認できなかった。また、油滴サイズとしては直径150〜30マイクロメートル程度で観測され、発振の持続時間は約1時間半、周波数16Hzであった。油滴の振動が停止した後に、油滴に新たな油相を注入すると再び発振が始まった。以上のような知見から、以下のような発振機構を考察した。まず、油滴表面に界面活性剤が吸着する。その後、微量の油が界面活性剤とともに水相へ溶け出るが、その際に油滴表面の表面張力変化を生じ、これにより油滴が振動するものと考えられる。界面活性剤濃度が低下した油滴表面に改めて界面活性剤が吸着し、連続的に発振する。時間とともに、界面活性剤が油滴中に蓄積されると振動は停止する。フレッシュな油相を油滴に注入することにより、界面活性剤の飽和が緩和され、再び発振し始める。以上により結果を合理的に説明できた。
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