研究課題/領域番号 |
12874114
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤 義博 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (60037265)
|
研究分担者 |
岡田 二郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10284481)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | スズメバチ / 収穫飛行 / 視覚 / ナビゲーション / optic flow / 昆虫 / 学習 / 記憶 / 嗅覚 / 記億 |
研究概要 |
本研究は、オオスズメバチ(Vespa mandarinia、以後スズメバチと略す)の採餌飛行を可能にする神経機構を解明を第1の目的とし、その研究の主要方法である飛翔航路の追跡のためのテレメトリー法の確立を第2の目的とした。以下、この目的別に成果を報告する。 【スズメバチの航行】本研究はスズメバチが巣から餌場まで、どのような記憶、感覚的手掛かりを利用して飛翔するかを調べた。個々のスズメバチに吹き流しを装着し個体識別をし、その行動を調べ以下の結果を得た。1)スズメバチは巣を離れる前に、採餌する場所を決め、その途中にある餌場は無視する。2)巣からの飛翔開始時には、視覚的に餌場を確認できない状態でも、餌場の方向に定位飛翔をする。3)複数のスズメバチの飛翔航跡を集合的にみると、大きくゆらぐが、各個体が繰り返し飛翔する航跡は一定であった。このことは、個々のスズメバチは独自の視覚的目印を設定し餌場まで飛翔することを示している。4)スズメバチは自身の飛翔による餌場の背景や周囲の視覚的目印の視覚的な流れを記憶し、餌場に接近する。5)餌場の視覚的特徴を記憶したピンポイントの接近は、スズメバチが餌場の1m以内に接近したときのみ起こる。ただし、スズメバチがミツバチと同様、高い図形識別および学習能力を示すことも明らかにした。6)餌場探索時、スズメバチは記憶した餌場の高さを維持し飛翔する。7)以上のように、スズメバチは種々の視覚記憶、運動系の記憶をもとに巣と餌場を往復飛行するが、各々の重要性は天候、照度などの状況で変化する。 【テレメトリー法】本研究ではスズメバチの航行奇跡をテレメトリーで追跡する方法の開発を試みた。スズメバチに装着可能な超軽量発信機の開発できたが、信号を高い時間分解能で解析する装置は目下開発中である。
|