研究課題/領域番号 |
12875018
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
石橋 幸治 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (30211048)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 量子ドット / 結合量子ドット / マイクロ波応答 / クローンブロッケード / 共鳴トンネル / 高速時間応答 / 光伝導サンプリング素子 / 櫛形電極 / ポンプ・プローブ法 |
研究概要 |
希釈冷凍機に装着したナノデバイスに対して、50GHz程度までの高周波に対する直流応答測定システムを完成し、カーボンナノチューブ量子ドットに対してその高周波応答を測定した。量子ドットのDC特性から、単一電子に対する帯電エネルギーやゼロ次元離散準位間隔が、ナノチューブの微細性を反映して電子ビームリソグラフィーを用いて作製した量子ドットよりも1桁以上大きくなることを見いだした。また、単一量子ドット上に微細なSiO2を形成することにより、1個の量子ドットを結合した2個の量子ドットに分けることを可能にし、2重結合量子ドットの形成に成功した。このような2重結合量子ドットで、各量子ドットに形成されたゼロ次元離散準位間の共鳴トンネルによる負性微分抵抗、2重結合量子ドットに特有のクーロンブロッケード特性であるストカステッククーロンブロッケード効果を観測した。2重結合量子ドットに対して100mK以下の極低温においてマイクロ波を印可し、そのDC特性を測定した。その結果、マイクロ波を印可する電流電圧特性が原点側にシフトすること(クーロンギャップが小さくなる)、マイクロ波強度を変えたクーロン振動が、マイクロ波を印可しない時のクーロン振動のバイアス電圧依存性に似ていることを見いだした。このような結果は、マイクロ波振動電界が実効的にバイアス電圧に重畳された効果として定性的に理解できる。この場合、量子ドット内電子の(ドット内での)平均滞在時間がマイクロ波の周期よりも長い、すなわち非断熱領域にあり、温度もマイクロ波周波数よりも小さいにも関わらず、特性が周波数に依存しない古典応答を示していることがわかった。このことを理解するためには、閉じこめ準位のエネルギー幅と周波数の大小関係を明らかにする必要がある。
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