研究概要 |
1.任意のセルオートマトンの時間発展パターンを安定に保存する逆超離散化の手法として、filter函数の概念を提出し、様々なcellular automatonに適用し、その有効性を確認した。filter函数の存在によって、パターン生成に対して連立系が必然的であることのひとつの理由付けが得られた。 2.宮崎医科大学で行われた実験データをもとにパラメータの値を推定して得られた方程式が,血圧の変化の効果がない場合にを再現することなど,実験結果に定性的に一致することを確認したが、思うような結果は得られなかった。そのため、3ないし5拍動の時間遅れを考慮し、過去10拍動程度の履歴まで取り入れた非線型差分方程式を提案した。 3.得られた非線形離散方程式を数値シミュレーションにる血圧制御への影響を調べることを試みた。非線型方程式に対する線形安定性の議論に基づいて、安定点および定常解の安定性についての議論を行った。また、その結果と実験データの比較検討を行った。その結果、やはり、ホルモンの影響など長期的な安定性をもたらす効果を考慮しなければ定量的には良い結果は得られないことがわかった。 4.有限系のセルオートマトンを解析するために、周期的境界条件を課したセルオートマトン系の性質を、数値アルゴリズムとの関係、ブール代数などの観点から議論した。その結果、箱玉系と呼ばれる単純な系では、保存量、解、などを具体的に表示することが可能であること、代数的な構造として、無限系で見られたクリスタルのintertwinerであるR行列の作用が、有限系でも別の形で表現されていることなどがわかった。
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