研究課題/領域番号 |
12875049
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 博允 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50111464)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高分子材料 / ゲルロボット / ソフトアクチュエータ / 人工筋肉 |
研究概要 |
[研究目的] 本研究は、機能性高分子ゲルを用いてアクチュエータとセンサが連続的に分布し、全体が生体のような物理的柔軟性を持つロボットの設計や制御手法の基礎を確立することを目的とする。ゲル材料としてアクチュエータ機能を持つPAMPSゲル(アクリルアミド系高分子ゲル)をとりあげ、「ゲルロボット」を実現することを目指して研究を行なった。ゲルをシステム全体に用いて具体的な機械を設計し、制御するという総合的な立場からの研究は世界的にも例のない、独創的なものである。 [研究成果] 形状設計・形状制御という2つのサブテーマに分けて研究を進め、統合実験として軟体動物型ゲルロボットを製作し、評価を行なった。 (1)形状設計:ゲルロボットの設計法を明らかにするために、ゲルの動特性と材料特性の測定を行い、変形とゲルの形状、特に厚さと変形特性の関係を明らかにした。この測定に基づき、厚い部分を構造支持部として、薄い部分をアクチュエータとしての役割を持たせる、低ヤング率の人工筋肉素材に適用可能な設計手法を提案した。 (2)形状制御:PAMPSゲルの屈曲はゲル表面への分子の吸着と吸着した分子どうしの凝集に基づくとするゲルの化学反応の理論と前項の測定結果にもとづいて、ゲルの変形応答機能の基礎的な関係をモデル化した。ゲルを駆動する電場に着目し、これを空間的に分布させることでゲルの曲率を局所的に変化させる新しい駆動電場構成法を提案した。 (3)統合実験:以上の形状設計・形状制御手法に基づいて、印加する電圧の極性に応じて伸縮する方向の変化する面型ロボットを製作し、その形状を制御した。全身が変形しながら移動するしゃくとり虫運動、大変形により表裏が反転するヒトデの裏返り運動、指向性を持つ変形運動などを実験により示した。
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