研究課題/領域番号 |
12875056
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
山田 顕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80134021)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 膜成長 / 圧電振動子 / ZnO薄膜 / LiNbO_3振動子 / MBE |
研究概要 |
本研究は、膜成長時に基板に水平振動変位を与えてやれば、基板に到達した原子が表面上を移動する原動力を与えられて最も安定なサイトにトラップされ、これにより高品質単結晶膜成長が可能になるのではないかという発想に基づいている。本研究の目的は、膜成長時の基板への面水平振動変位の付与による、表面が平坦で低転位密度の高品質単結晶膜成長の可能性を追求することにある。 そこで、ZnO膜のECR-MBE法による単結晶膜成長の場合について、基板振動・加熱機構を開発し、基板に水平振動変位を与えて膜の成長を試みた。以下にその研究の概要を示す。 1.高温の基板に大振幅の低周波水平振動を与える方法として、ニオブ酸リチウム結晶の層状反転ドメインを利用した屈曲振動子を用いる方法を検討した。しかし、高温での振動子固定が難しく構造が複雑になることから、この水平変位付与法は採用しないことに決めた。 2.高温の基板に一様で大振幅の高周波水平振動を与える方法として、ニオブ酸リチウム圧電結晶板の厚みすべり振動を利用する方法を検討した。結晶の最適切断方位を解析により明らかにし、振動励振法として163°回転Y板の垂直電界励振を利用する方法と、Z板の水平電界励振法を利用する方法を検討した。その結果として、ZnO(001)配向膜のエピタキシャル成長が可能な後者の方法を採用することに決定した。 3.基板の加熱と振動印加が同時に可能な圧電結晶振動子ならびに基板の固定のための最適な方法・構造を考案し、その製作を行った。さらに、振動子の共振特性、振動振幅などを測定し、これに基づいて印加電圧およびその周波数を決定した。 4.ECR酸素ビーム源を用いた分子線エピタキシー(ECR-MBE)法によるZnO膜のエピタキシャル成長を取り上げ、LiNbO_3基板に水平振動を与えて成膜を試みた。 5.基板に水平振動を与えた場合と与えない場合について、成長膜の膜質をX線ロッキングカーブ測定により評価したところ、水平振動を印加した場合のほうがロッキングカーブの半値幅(FWHM値)が小さく膜質が良いという結果が得られた。このことは、期待していたように水平振動の効果によるものと考えられるが、今後詳細な検討が必要である。
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