研究課題/領域番号 |
12875062
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 静雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20135536)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 励起子 / 量子ドット / 相分離 / CdSe / ZnCdO / 多色発光 / 青色ルミネセンス |
研究概要 |
本研究は、サイズ、組成が変化した量子ドットを作製し、そこに局在した励起子の発光を利用して、直接遷移による多色発光を実現し、新機能光デバイスへの萌芽を図ることを目的に行った。結果を以下に示す。 1.GaAs基板上にZnSを成長し、その上にCdSeを成長することで、14%という大きな格子定数差に基く多様な量子ドットが作製できた。ホトルミネセンス測定に上り量了閉じ込め効果によるブロードな発光を観察し、異なる量子ドットからの発光の重なりであるという原理を実証したが、ZnSの平坦性が現状では不十分なことが今後の課題として残された。 2.ZnO上にZnCdOを成長すると、特定の成長条件のもとで、強い相分離の効果によってnmレベルでの組成揺らぎが生じることがわかった。Cdリッチ領域の組成はほぼCdOに近く、強い局在中心として働くことが示された。 3.上記のような試料からは、ブロードで強い青色のホトルミネセンスが得られた。詳細な光物性評価や発光ダイナミクスの測定から、発光の起源は異なるエネルギー準位への励起子の局在が空間的に並列して生じたためであることが明らかになった。 以上、エネルギーの異なる量子準位に起因した発光の重ね合わせが観測できたものと考えられ、本研究で目的とした多色発光の原理が強く示唆された。今後、量子準位の制御法の確立とその高品質化を行うことで、高効率、新機能光デバイスへの研究が展開しうる見通しが得られた。
|