研究概要 |
本年度は,前年度に得られた安定性の指標に基づき,「安定性と構造」の関係を解明するため,次のことを実行した。 (1)前年度開発した組織化の指標をもとに,システムの構造について考察を加えた。 (2)計算機ミュレーションにより,システムの構造パターンと組織化の指標の関連を検証した。 (3)以上の理論的考察とシミュレーション結果より,マクロな安定性とシステムの構造の関係を解明した。 (4)得られた安定性の指標が,安定性解析において十分機能することを検証し,最終的目標であるマクロな安定性解析手法の構築を目指した。 (5)ネットワーク構造を持つシステムである計算機システムなどへの適用可能性をさぐった。 また,上記の研究の実行により,以下の点が明らかとなった。 (1)自己組織化の指標が,ネットワーク構造を持つシステムの安定性とつながりを持つことが分かった。 (2)本指標を用いて,構造パターンの分類が可能となった。 (3)本指標により,構造パターンと安定性の関係が考察可能となった。 (4)安定なネットワーク構造がどのような特徴をもつか明かとなり,ネットワーク構造を持つシステムについて種々の知見が得られた。
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