研究概要 |
パラストレッシングは,構造物全体をシステム的にとらえ,種々の外力に応じてリアルタイムでプレストレスあるいは構成部材の材料特性を制御することにより外力に抵抗する新しい概念に基づいた技術であり,従来の設計思想では考えもよらない画期的に合理的な橋梁設計が行える可能性がある.本年度は,パラストレッシング技術応用の具体例として,昨年度のフィージビリティスタディおよび知的制御手法を適用したヘルスモニタリングに関する基礎的検討結果を基に、斜張橋模型および連続合成桁模型を対象としたコンピュータネットワークを用いた遠隔モニタリングシステムを構築するとともに,FEMによる解析を通してセンサ機能,プロセッサ機能およびアクチュエータ機能を組合わせて自己組織化したインテリジェントブリッジを実現した。すなわち,モニタリングシステムを情報の収集,加工をするためのスタンドアロンモニタリングシステムと情報の伝達,閲覧をするためのインターネットモニタリングシステムを統合したシステムとするものである。このシステムを異常な活荷重が発生した場合を想定して,斜材張力を変化させて桁の異常な応力や変形の制御を遠隔でリアルタイムに実行可能なことを明らかにし、今後の橋梁構造物の画期的合理化に役立つことを証明できた。
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